定年後、読者から著者になろう 9月19日(水)19時~ 虎ノ門
わたくし事ですが、3月末で今まで勤めていた経産省を定年退職しました。
8月末に、園芸に関する本『多肉植物の育て方・楽しみ方』を出版しました。多肉植物は趣味で育てています。
定年後、「読者から著者になろう」を実践させていただきました。過去にビジネス書を出版したことはありますが、多肉植物に関する本は出版したこともありません。でも、たった5カ月で読者から新しいジャンルの著者になることが出来ました。
わたしでも出来るという事は、誰にでも出来るということです。特に優れた才能がある訳ではありません。ただ、問題意識を明確にしたり、発想をちょっと変えるということは必要だと考えています。本を書く作家は、そのちょっとした発想を上手く生かしているのではないでしょうか。
今回は、廣川州伸さんに、週末作家入門という話をしていただきます。
誰でも作家になれるとまでは言いませんが、
文章を書くのが好きで好奇心旺盛な方なら、週末を使って作家の一歩を踏み出すことが出来ます。
ぜひ、ご参加ください。
■誰もが最初は二足の草鞋だった。
誰もが最初から小説家や作家だった訳ではない。ほとんどの作家が別の職業に就きながら、コツコツと文章を書いて、作家の道を上っている。もちろん、上れなかった作家も沢山いる。実際には、ベストセラー作家になるのはほんの一握りに過ぎない。とういうことは、別の職業について生活を安定させながら、文章を書くという
のが王道なのだ。著名な作家の職業をみると、以下のとおり。
西村 京太郎 旧人事院、トラック運転手、私立探偵など
森村誠一 自動車部品会社、旧リーガロイヤルホテル、ホテルニューオータニなど
内田康夫 日本テレビ、一光社。のちコピーライター、CM製作会社の社長など
司馬 遼太郎 産経新聞社など
吉川英治 船具工、ラセン釘工場、蒔絵師の家に住み込みなど
■ビジネス書の著者はほとんどが週末作家
先ほど挙げた大先生は、ミステリー作家などの小説家だ。
ビジネス書の作家はどうだろうか。
これは、例を挙げるまでもなく、本業を持った人が本を書いている。週末作家がほとんどなのではないだろうか。大学の先生も本を書くが、教科書以外は、大学に勤務しつつ作家活動をしているのである。
では、どうしてビジネスマンが本を書くのに有利かという点でみてみよう。
まず、本業があるということは、その分野でエキスパートだということである。
例えば、工業デザインの本を書こうと思ってもその分野で仕事をしていない著者なら一から勉強して本を書く必要がある。しかし、工業デザイナーとして日々仕事をしている人は、その経験を文字にするだけで本にして他人に知らしめるだけの有意義な情報を持っているのである。もちろん、持っていない人もいる。
少なくとも基礎知識は十分あるはずである。それに情報を付加することによって、一冊の本が出来上がるかもしれないのだ。
あなたは、どのような職業か分からない。年齢はいくつだろうか。職業にもよるが自分の仕事の体験などを書こうと思っているならば、十分な経験が必要だと思う。小説やミステリーはちょっと違うらしい。知り合いのミステリー作家に聞いたのだが、ミステリー作家だからと言って殺人現場を見たことも無いし、殺人もしたことが無い。それは、外部からの情報や創造で書き進めるとのことだった。
さて、幸いにも私たちはビジネスマンである。そして、ビジネス書を書きたいと思うならば、自分の人生経験を一度棚卸ししてみようではないか。
■50歳が作家適齢期
では、何歳に書き始めると良いのだろうか。私は50歳代が一番良いのではないかと思う。
本業があって、週末に文章を書くというのは、考えるのは簡単だが、実行することは大変である。実際には、週末だけでは時間が足りないので、平日の夜も執筆に充てる必要がある。本を一冊書き上げるには、相当な分量の文字数と書く必要がある。文字数だけではなく、情報量も確保する必要がある。資料集めや取材など、文章執筆に取られる時間は膨大である。仮に、30代と50代の自分が居たとする。同じテーマで文章を書き始めたらどちらが強いだろうか。睡眠時間を削ってでも集中した時間を生み出せるのは30代である。体力的には圧倒的に30代が有利だ。では、一方で文章に厚みを出すという点でみてみると、経験に裏打ちされた50代がはるかに有利である。
50代なら、自分の経験で記述できることも、30代だと経験が不足しているため、取材や資料に当たって確認、咀嚼、執筆という手順を踏む必要がある。書く内容にもよるが、50代ならその部分をショートカット出来るはずである。
そういう意味で、50代、60代で書き始めても決して遅くない。むしろ適齢期だと考える所以である。
■定年後、読者から著者になろう。
人生で一冊位自分の著書を持ってみたいという人が居る。
では、どうやって著書を手にするのだろうか。
私は人生の棚卸しが必要ではないかと思う。
今までどう生きて来たか、その背景はどうだったか。ダラダラ年表を作っても仕方がないのだが、一生を一枚の紙にしてみるのもい
いだろう。さて、その中で色々なライフイベントがあったに違いない。それは他人と違う体験なのだろうか。さらにそれを深掘りした時に本として世に問うことが出来るだろうか。
出来ないなら別のネタを当たってみよう。
何十年もの経験の中でひとつや二つは本として発表する内容が見つかるのではないだろうか。
例えば、時間の有効利用で自分独自の方法を用いている。メモの取り方が他人と違っていた。それによって会社で大きな成果を得ることが出来た。こんなことも、他人には参考になる項目かもしれないだ。ノートの取り方、メモの方法などという本はいっぱいある。
大きな項目ではなく、小さくても良いから深掘りできる事項を見つけることだ。
この文章を読んでいる人は、今まで相当数の本を読んで来たに違いない。
ぜひ、定年退職前後を期に読者から著者になろう。
廣川さんのホームページ 謎解きクロス http://nazotokicross.com/
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■次回の予定
10月10日(水)19時~
『ebayを使ったネットせどりの実際』:現在ビジネスマンでネットせどりをやっている方が講師です。お楽しみに。